プランニングの「ゆとり」は将来の伸びしろ

東京都目黒区の中目黒に、「職住融合」の新しいコンセプトの複合施設がオープンしたというニュース記事(2021年2月3日『R.E.port』株式会社不動産流通研究所)がありましたのでご紹介します。

施設の詳細は記事をご覧いただくとして、

私が面白いと思ったのは次の2点です。

1つは、70戸の賃貸住宅の入居者だけでなく、1階路面6店のテナント区画で働く人が共用で使える作業スペースなどがあるという点です。

これまでは住宅なら住人のみ、テナントビルならそこで働いている人のみ、というように

共用部分に出入りする人が物件の用途同様に限定されていることが多かったと思います。

しかし、住人だけでなく、店舗テナントの従業員も、さらには外部の人も有料で使える空間もあるとのことで、

スペース利用の発展性が期待できるだけでなく、様々な種類の人々の交流によるコラボーレーションも期待できます。

さらにもう1つは、建物の2階にはオフィスもあるそうですが、天井をスケルトン状態にするなど、将来的には住宅へのコンバージョン(転用)も可能な設計にしている点です。

働き方や暮らし方が大幅に変動している昨今、今後も更なる変化が起こる可能性があります。

しかも、新しいコンセプトであればある程、やってみないと分からない部分あり、様々な意味でこの幅の持たせ方は、可能性の追求だけでなく、リスクヘッジにもつながり、素晴らしいプランニングだと思いました。

今だけでなく、5年後、10年後、そしてもっと先の変化や発展も楽しみな施設だと思いました。